テクニカル指標一覧とその実務的な使い方

テクニカル分析の知識とスキルを体系的に学習し多様なテクニカル指標が出題されます。ただし、試験範囲を「暗記」で終わらせてしまっては非常にもったいないのです。

本記事では、有名な主要テクニカル指標を体系的に整理し、それぞれの実務での活かし方を解説します。


1. トレンド系指標:方向性を見極める

移動平均線(SMA/EMA)

  • 試験ポイント:単純平均(SMA)、指数加重平均(EMA)の違い
  • 実務活用
    • 短期・中期・長期線の組み合わせ(ゴールデンクロス/デッドクロス)
    • 押し目・戻り売り判断の基準線

パラボリックSAR

  • 試験ポイント:トレンド継続か反転かを示す視覚的な指標
  • 実務活用
    • ストップラインとして使用
    • トレール型の利確設定にも応用可能

ADX(Average Directional Index)

  • 試験ポイント:トレンドの強弱(方向性でなく“力強さ”)を示す
  • 実務活用
    • ADXが25を超えると「明確なトレンド発生」
    • トレンドフォロー型戦略と相性良好

2. モメンタム系指標:加速と減速を捉える

RSI(Relative Strength Index)

  • 試験ポイント:70以上=買われすぎ、30以下=売られすぎの基準
  • 実務活用
    • 逆張りタイミングの判断材料
    • トレンド時には「押し目買い・戻り売り」シグナルにも

ストキャスティクス(Slow/Fast)

  • 試験ポイント:%K, %D線の交差、80/20ラインの活用
  • 実務活用
    • 細かいタイミング取りに有効
    • RSIと組み合わせて“ダブル逆張り戦略”にも活用

MACD

  • 試験ポイント:MACDラインとシグナル線のクロス、ヒストグラムの解釈
  • 実務活用
    • トレンド転換点の検出
    • 中長期のダイバージェンスも確認可能

3. 出来高系指標:市場参加者の心理を読む

OBV(On Balance Volume)

  • 試験ポイント:価格上昇で出来高加算、下落で減算
  • 実務活用
    • 株価が横ばいでもOBVが上昇していれば買い圧力の高まりを示唆

Volume Oscillator(VO)

  • 試験ポイント:短期・長期出来高平均の差をグラフ化
  • 実務活用
    • 市場参加の活発さ・静かさを視覚的に認識

VAP(Volume at Price)/POC

  • 試験ポイント:価格帯別の出来高集中ゾーン、POCの位置
  • 実務活用
    • レジスタンス/サポートとしての価格帯を把握
    • ブレイクアウトの“本気度”を測る判断材料に

4. 複合系・補助理論:相場の構造を読む

エリオット波動理論

  • 試験ポイント:5波上昇+3波調整、フラクタル構造
  • 実務活用
    • トレンドの位置を把握し、エントリー・エグジットタイミングを探る

フィボナッチリトレースメント

  • 試験ポイント:38.2%、50%、61.8%の“戻り”比率
  • 実務活用
    • 押し目候補として機能する節目を明示
    • 利確・損切りポイントの目安

一目均衡表

  • 試験ポイント:転換線、基準線、雲、遅行線
  • 実務活用
    • 多角的な時間分析が可能
    • 雲抜けでトレンド判断、遅行線で確認

ボリンジャーバンド

  • 試験ポイント:±1σ, 2σ, 3σと標準偏差の関係
  • 実務活用
    • トレンドフォロー or 逆張り両対応可能
    • バンド幅の収縮・拡大でボラティリティ変化を捉える

5. 実務での使い分けとチェックポイント

テクニカル指標は「万能な答え」を示すものではなく、あくまで“判断の補助材料”です。 複数の指標を目的別に組み合わせることで、分析の精度が向上します。

実務チェック例

目的使用指標組み合わせ例
トレンド方向を確認移動平均線、ADXMAの傾き × ADXの水準
買われすぎ/売られすぎRSI、ストキャスティクス両方が極端水準で一致
トレンド転換点を探すMACD、OBV、出来高クロスと同時に出来高増加
節目を確認フィボナッチ、VAP、雲価格が重なる地点に注目

6. まとめ:指数はチャートの道標

単なる知識のためではなく、実務で判断する力を磨くための武器です。

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