株価が乱高下する局面、思惑と異なる決算、想定外のニュース──投資において「迷い」は避けて通れないものです。
そんなとき、感情に流されず冷静に判断するために必要なのが、“自分のルール”です。これは、「他人がどう動くか」ではなく、「自分はどう動くか」を明確にするための指針です。
投資の世界では、他人がどう動いたかが、チャート上や投稿で見かける事がありますが、全員が同じ戦略でもなければ、あなたの資産に対して責任をもつ事もありません。なおさら自分で判断、行動する事で他人ませかせにしない、責任転嫁しないで現実と自分と向き合う事が必要となります。
本記事では、投資戦略をブレずに継続するための“自分のルール”の作り方を、実践例を交えて解説します。
なぜ“自分のルール”が必要なのか?
投資の世界では、常に不確実性と向き合わなければなりません。どれだけファンダメンタルズやチャートを分析しても、予想外の動きは起こります。
そのときに頼れるのは、事前に決めた「判断基準」=自分のルールだけです。
- 焦って損切りする
- SNSの意見に流されて買い増す
- 含み損を抱えたまま思考停止
こうした行動を防ぐには、あらかじめ「どのような条件なら、何をするか?」を決めておく必要があります。
“自分ルール”がある人とない人の違い
項目 | ルールなし | ルールあり |
---|---|---|
判断基準 | 感情、他人の意見 | 事前に定めた条件に基づく |
売買の一貫性 | バラバラ、迷いが多い | 一貫性があり、振り返りやすい |
成績の管理 | 勘と気分 | 数値と記録に基づく |
精神面 | 焦りや後悔が多い | 冷静さと再現性がある |
自分ルールを作る3つのステップ
① 自分の“目的”を言語化する
投資で何を達成したいのか?
- 例:5年で資産を1.5倍にしたい
- 例:配当で月3万円を得たい
- 例:テクノロジーの成長を資産で取り込みたい
目的があいまいだと、ルールも定まりません。
② 投資スタイルに合ったルールを設定する
目的に応じて、投資スタイルも異なります。以下にスタイル別の自分ルール例を紹介します。
長期グロース投資の場合:
- 売上成長率が20%以上を維持している限りホールド
- 株価が-30%以上下落したら、事業内容を再確認
- 決算でガイダンス下方修正2回連続なら売却検討
インカム投資の場合:
- 配当利回りが4%以上で安定している銘柄を選定
- 減配した場合は即レビュー、理由次第で売却
- 月末に配当利回りランキング上位10銘柄をチェック
オプション戦略の場合:
- デルタ0.2未満、プレミアム0.35ドル以上でPut売り
- 決算週は取引を避ける
- 株価が取得価格を下回った場合はCovered Callへ移行
③ 感情を排除する「行動トリガー」を明文化する
事前に「こうなったらこう動く」というif-then型の条件分岐を設けると、判断が明確になります。
- 含み損が-15%を超えたら事業評価の再チェック
- 決算後に株価が-10%下落したらニュースと数値を分析
- 新規銘柄は“30分以内に自分で説明できる”ことが条件
私の自分ルール例(サテライト戦略)
私は、資産の10〜15%をテーマ株や成長株にサテライト投資しています。 以下はその自分ルールの一例です:
- 投資対象は自分が理解できる構造的成長テーマに絞る(例:AI、量子)
- 赤字企業でも売上成長率30%以上かつキャッシュ保有が1年分以上あれば保有検討
- SNSで話題になっている銘柄は、財務分析と競合比較を行ってから判断
これにより、リスクを可視化しながらも、将来の成長に賭ける戦略を継続できています。
自分のルールは“固定”ではなく“更新する”もの
市場環境やライフステージ、資産規模が変われば、最適なルールも変わります。
- 金利や経済成長率の変動
- 新しい投資技術や金融商品の登場
これらを受けて、定期的にルールを見直すことが大切です。 私は、半年に1回「自分ルール点検日」を設けて、過去の判断とルールの整合性を確認しています。
自分のルールは自分と向き合うルール
投資で本当に難しいのは、技術ではなく「自分自身の感情の制御」です。
- 恐怖で逃げ出したくなる日
- 欲でルールを破りたくなる瞬間
そのときに支えてくれるのが、“過去の冷静な自分が作ったルール”です。
自分のルールは、今の自分がどう考えているかを理解し、だからこうする、こうしてはいけないと基準と比較、可視化することで成功や失敗の原因を考える事ができます。
まとめ:迷いを減らす最強の道具は“自分で決めたルール”
投資判断に迷うのは、情報が多すぎて自分の軸を見失ったときです。 だからこそ、「自分はどう動くか」を事前に決めておくことが、最強のリスクヘッジになります。
- 投資の目的を明確にし
- 自分のスタイルに合ったルールを設定し
- if-then型の条件で行動を明文化し
- 定期的に見直す
このプロセスを通じて、投資は「迷いの連続」から「確信の積み重ね」へと変わっていきます。
あなたの未来のために、今日から“自分のルール”を作ってみてはいかがでしょうか?
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